/d/2024

2024-33 事象: 麻婆炒飯

AとBは同居してゐる.
戀人や配偶ではない.
Aは在宅で働き, Bは出社が多い.
Bは忙しく平日週末を問はず夜遅くに歸ることが多い.

ある平日の午ごろAは空腹を覺えて冷蔵庫を開けたが, 一個の例外を除き晝食に丁度良いものを見つけなかった.
その例外とはBが數日前に買った麻婆炒飯である.
Bは每日疲弊して歸宅するので, 自分が買った商品を食ふ餘裕が無く期限を切らすことが何度か有った.
これを自分が貰ふ (無論代金は拂ふが) のは良さそうだとAは考へた.

AはBにmessageを送った: ‹冷蔵庫の麻婆炒飯を貰っても良いか?›.
Bは ‹同じのを買っておいてくれるなら› と返じた.
それは自明なので有意味な返答ではないとAは思ひつつ, 買ひに出るのが面倒なので食はないことにした.

Bの歸宅後, AはBに言った: ‹結局麻婆炒飯は食はなかった. ところで, 同じのを買っておけば食って良いのは當然だからあの返事には內容が無い›.
するとBが ‹いや, それは當然ではない› と言った.

‹商品に個體差が有り, 私の買ふものは元のものより狀態が惡いかも知れないから?› とAが問ふ.
‹いや› とBが答へる.
‹私が買ってゐない時にあなたが歸って來て, 食ひたかった場合に困るから?› とA.
‹いや› とB.
‹では何が問題か?›
‹つまり, あの麻婆炒飯は私が買ったものであり私の領域に屬するから, それを無斷で食へばそれを侵犯することになる›
‹全く問題の無い代替物を入手できるときその侵犯は具體的にどんな不利益を意味するのか›
‹この事實は私にとってそれ以上分解できない最小單位なので理由や詳細を問ふことはできない. 敢へて言へば感情である›
‹私はそれを理解しないが, その樣な行為をあなたが許容しないことは承知した›

Aは我 (これを書いた人) である.
文からは無駄を省いたが, 大意これと同じ遣り取りが2024-032に發生した.
AとBは相互理解の無いときが幾らか有るが, 數度の衝突を經て今は巧くやってゐる樣に見𛀁る.

(注意: これはBの査讀を受けてゐないので, 後に修正され得る. 濟)